店名にあるシュシュというのは子ども用語で「お気に入り」という意味。それにアトリエをつけているので、意味は「お気に入り工房」。おもちゃ箱をイメージしています。フレンチを子どもの発想力で、お客さまがワクワクするようなお店づくりをしたい。そんな想いが込められています。
なので、食材は新しいものをすすんで取り入れています。人気なのはジビエ。北海道の猟師からヒグマやエゾ鹿。愛知県からはうずら。筑波からはエトフェ鴨を取り寄せています。今回はエディブルガーデンの食べられるお花もアレンジしていただきました。
—— AYUMIのお料理のご紹介
地鶏の花畑
筑波の地鶏を赤ワイン煮込みにしてからリエットに。そこに、AYUMIの各種エディブルフラワーを飾っています。お花ひとつひとつを味わってもらうことを意識しました。土に見立てたリエットから、お花を摘んで食べていただきます。
新イカとキンギョソウのサラダ
キンギョソウはそこまで香りが強くなくてやわらかいお花です。それを新イカと合わせました。そこにライムの香りを転化してさわやかに仕上げています。
パテドカンパーニュ サングリアとビオラのジャムを添えて
筑パテはジビエのパテなので、シーズンによってかわります。いまはエゾジカとヒグマを練りこんでいます。いつもはマスタードとサングリアのジャムをそえているのですが、今回はビオラのジャムにしました。お口なおしになる、すっきりした味わいです。
白レバームースとカカオ 庭園風
通常交じり合わない液体同士を混ぜ合わせることを乳化と言います。例を挙げると、水と油は乳化しないので、その繋ぎ役として卵やマスタードが乳化剤として出来上がるのが、皆様お馴染みのマヨネーズです。この料理は乳化をイメージしてつくりました。「乳化」という言葉を使ったのには理由があります。 料理としての白レバーと、デザートとしてのカカオ。 対照的に見える食材達を、食用花を触媒に、口の中できれいに調和させることを意識しました。
—— YOKOTA ROSEのお料理のご紹介
筑波産エトフェ鴨 バラのソースとバラのマッシュポテト
みじん切りにしたYOKOTA ROSEをつかって香り高いバラのソースをつくりました。バラが強いのでシンプルにつかっています。バラの生命力が高くて主張が強いので、野性味のあるお肉と合わせました。
—— エディブルフラワーのご感想をお願いします
野村 裕亮さん:まずは、AYUMIについて。これまで、エディブルフラワーはあまりつかっていません。あくまでも「たべられる」けど、「好んでたべる」ものではないという認識でした。と、言うのも、以前エディブルフラワーをサラダにしたときには、繊維が強かったり、香料的な香りのものがほとんどだったためです。 しかし、今回の食用花は、柔らかく、上品な香りだったので、このお花達で料理をしてみたいと思いました。ソースにしたり、セビーチェのマリネでつかう際などに、いい意味で調和してくれています。
YOKOTA ROSEについてですが、みじん切りにして使うと、噛んだときにいい具合に香りがはじけてくれました。バラ本来の食味を感じますし、香料ではない自然の香りが良いですね。強い食材なので、鴨などの血液感のあるお肉に合わせています。
店舗情報
店名: アトリエ シュシュ
住所: 東京都新宿区四谷3-1 B1F
予約: 03-5925-8708
営業: 11:30~15:00(L.O14:00)、18:00~23:00(L.O.22:30)
定休日: 日曜日