『鮨 心白』とは、日本酒を造るための酒米の中心部に発生するデンプンを指す『心白(しんぱく)』に由来します。「たくさんの方々の力をお借りして『心白』をおいしく変化させていきたい」という、石田さんの想いが込められています。
驚くべきは、その食材へのこだわり。日本全国の生産者をまわり、農家や漁師とつながりながら、選び抜いた食材だけを直送してもらっています。たとえば、日本でも屈指の神経〆師とはLINEを使って日々やりとり。料理に合わせて〆の手順を変えてもらう、といった試行錯誤を経て「一皿」を創り上げているのです。そんな石田さんが握る熟成鮨を求めて、予約が絶えません。
—— 料理のご紹介をお願いします
石田 大樹さん:4年に1回しか水揚げされない、北海道の岩牡蠣。低温で火入れしたこの牡蠣を特製の白ポン酢と国産のオリーブオイルであえ、その上に岡山のゴールデンフィンガー(ぶどう)と山梨のプルーン、芽ネギ、赤キャベツのスプラウト、そしてシュガーコーティングしたバラを乗せました。ポン酢によって足された酸味を、シュガーコーティングしたバラの甘みで緩和。また、全体的にねっとりとした食感なので、シュガーのサクサク感を足してバランスをとっています。
お客さまからは「えっ、バラ!?」というリアクションをいただくことが多いですね。そのときはバラの栽培背景や生産者さんのことをお話しして、食事をより一層お楽しみいただいています。
今回は合わせて、シュガーコーティングしたバラやAYUMI各色の花びらを浮かべた紅茶もご用意しました。
—— YOKOTA ROSEとAYUMIのご感想をお願いします
石田 大樹さん:まず、YOKOTA ROSEは香りがいいですね。鮨職人は、ふだんエディブルフラワーはあまり使わないのですが、フレンチの料理人も「ほかの食用花と比べて非常に香り高い」と言っていました。
AYUMIのほうは、「強い」という印象です。その品質のよさゆえでしょうね、マイナス2度の冷蔵保管で30日間も保ちますから。また、農薬不使用栽培なのも安心です。