素材の良さを引き出す食材の組み合わせをご紹介します
華を添える”だけ”が、食用花の魅力ではありません。エディブルガーデンでは、シェフと共同で食用花のペアリングを研究しています。一般認識として、飾り付け“だけ”の役割だと思われがちですが、食用花の活用に前向きなシェフを中心に「食用花の素材の良さを引き出すにはどうしたらいいのか?」「おいしくなる食材の組み合わせ方はあるのか?」などの、ご質問をいただくことが増えてまいりました。私たちとしても、飾り付け“だけ”ではない”使う必然性“の見立てこそが、食用花の未来をつくること。ひいては、良い食用花をつくる生産者の応援につながると考えました。そこで、食用花の素材の良さを引き出すための『ペアリング(食材の組み合わせ方)』についての研究調査に着手いたしました。その得られた示唆について、随時ご紹介させていただきます。
※本記事は随時UP DATEしてまいります。
■ 調査方法
・植物生理学の国内外の論文調査
Science DirectおよびGoogle scholarにて、論文を検索・調査しました。
目次
1.香り成分が同じ食材と組み合わせる
2.植物分類が同じ食材と組み合わせる
1.香り成分が同じ食材と組み合わせる
香り成分に着目するテクニックです。香り成分が同じ食材同士を組み合わせることで味の調和をつくることができます。
パクチー、コリアンダーシード
ゲラニオール&リナロールという香気成分がパクチー、バラどちらも有する
ローリエ
ゲラニオールという香気成分がローリエ、バラどちらも有する
花椒
ゲラニオール、シトロネロールという香気成分が花椒、バラどちらも有する
山椒
ゲラニオールという香気成分が山椒、バラどちらも有する
レモンマートル
ゲラニオールという香気成分がレモンマートル、バラどちらも有する
ライチ
シトロネロールという香気成分がライチ、バラどちらも有する
パパイヤ
リナロールという香気成分がパパイヤ、ナデシコどちらも有する
グァバ
リナロールという香気成分がグァバ、ナデシコどちらも有する
グレープフルーツ
リナロールという香気成分がグレープフルーツ、ナデシコどちらも有する
ブランデー
フェニルエチルアセテートというブランデー、バラ、モモ、ハチミツ様の香りと表される香気成分をナデシコが有する
バラ、モモ
フェニルエチルアセテートというバラ、モモ、ブランデー、ハチミツ様の香りと表される香気成分をナデシコが有する
ハチミツ
フェニルエチルアセテートというハチミツ、ブランデーバラ、モモ様の香りと表される香気成分をナデシコが有する
ピノ・ノワール等の赤ワイン
β-イオノンという香気成分が赤ワイン、ビオラどちらも有する
ユズ
リナロールという香気成分がユズ、ビオラどちらも有する
カリン
β-イオノンという香気成分がカリン、ビオラどちらも有する
ザクロ
β-イオノンという香気成分がザクロ、ビオラどちらも有する
ベリー系
ブドウ、ブルーベリー、カシス、ブラックベリーなどは、β-イオノンというベリー様の香りと表される香気成分をビオラが有する
パクチー、コリアンダーシード
ゲラニオールという香気成分がパクチー、キンギョソウどちらも有する
ローリエ
ゲラニオールという香気成分がローリエ、キンギョソウどちらも有する
花椒
ゲラニオールという香気成分が花椒、キンギョソウどちらも有する
山椒
ゲラニオールという香気成分が山椒、キンギョソウどちらも有する
ミント
メントンという香気成分がミント、マリーゴールドどちらも有する
パイナップル
メントンというパイナップルとの相性が良いとされている香気成分を有する
リンゴ
メントンというリンゴとの相性が良いとされている香気成分を有する
ハーブ類
タゲトンというハーブ様の香りと表される精油成分を有する
柑橘系(グレープフルーツ、レモンなど)
タゲトンという柑橘系との相性が良いとされている精油成分を有する
2.植物分類が同じ食材と組み合わせる
バラ科のバラには同じバラ科の「イチゴ」や「ラズベリー」を。ノースポールには同じキク科の「キクイモ」を。味を調和させるテクニックとして、植物分類が同じ食材と組み合わせる方法がございます。
バラ科の果物とまとめる
イチゴ、ラズベリー、アンズ、リンゴ、モモ、サクランボなど
ナデシコ科の食材とまとめる
ハコベ(ナデシコ科:春の七草)
アカネ科の食材とまとめる
クチナシ
キク科の食材とまとめる
カレープラント、ステビア、アーティチョーク、ゴボウ、キクイモ、チコリ、ヤーコン、レタス